湯たんぽ実践と低温やけどについて考える

Hisane

2009年11月08日 11:31

娘と奥様の湯たんぽのご紹介は、それぞれ過去記事(キティちゃん湯たんぽ 、つぼ将軍)でご紹介しましたが、今回は実践編を書きたいと思います。
先日、成田ゆめ牧場にてこの2つの湯たんぽは無事フィールドデビューいたしました。 湯たんぽですから、お湯を沸かして湯たんぽに入れるだけです。 やること自体は非常に単純ですね。

まず課題は、お湯を沸かす方法ですね。 我が家では2つの湯たんぽのためにお湯を沸かす必要がありますが、問題はお湯の量です。

マルカ CY(チャーミー キティ) 湯たんぽ PE
ナチュラム価格1410円(税込)
●本体サイズ(mm):約278×約234×約65(92)
●重量:410g
●容量:2.5L
●耐熱温度:110℃(本体)、120℃(キャップ)
●商品素材:湯たんぽ本体(ポリエチレン)、湯たんぽキャップ(ポリプロピレン)、湯たんぽ袋(表地:アクリル100%、中材:ポリエステル100%)、ボア地(生布:ポリエステル100%、裏地:ポリエステル100%)
●安眠の基本頭寒足熱に適した体に優しい暖房器具
●皮膚が乾燥しにくく、ご年配の方、新生児、幼児に最適な暖房です。

マルカ つぼ将軍セット
ナチュラム価格2980円(税込)
●素材:つぼ将軍本体=ポリエチレン、キャップ=ポリプロピレン、パッキン=天然ゴム
●つぼ将軍サイズ:385×170×75mm
●つぼ将軍容量:約1.6L
●つぼ将軍重量:約440g
●収納袋サイズ:約430×230mm
●セット内容:つぼ将軍本体×1、つぼ将軍収納袋×1、ミトン×1、手付きジョウゴ(ステンレス製)×1

内容量を合計すると、2つの湯たんぽで4.1リットルです。意外と多くのお湯を作らなくてはなりません。まずヤカンで沸かすことを考えましたが、我が家のヤカンはこれ なので、ちょっと容量不足。

ユニフレーム(UNIFLAME) トレイルケトルL
ナチュラム価格2600円(税込)
●サイズ:約直径16.5×深さ7.4cm
●満水容量/約0.9L
●重量:約220g
●材質:アルミニウム合金/アルミアルマイト加工処理
●底が広く、熱効率に優れたシェルパケトルシリーズ
●ステンレスメッシュの茶こし付き

じゃあ大鍋か?と思い見てみましたが、丁度よさそうです。

ユニフレーム(UNIFLAME) fan5 DX 大鍋本体
ナチュラム価格2100円(税込)
●商品は大鍋本体のみとなります。
●直径:230mm
●深さ:145mm
●満水容量:5.5リットル
●ハードな使用に耐える1mm厚のステンレス製の大鍋。
●5.5リットルの容量は、多量の麺類の茹で上げも可能。

でもあえて今回はやってみたいお湯の沸かし方があったんですね。それは、ユニフレームのフィールドシンクです。

ユニフレーム(UNIFLAME) フィールドシンク
ナチュラム価格5800円(税込)
●サイズ:約375×260×135(h)mm
●サイズ(底面):約315×205mm
●重量:1.5kg
●シンク容量:約6L
●洗物をまとめて入れて、水場までラクに持ち運べ、洗った食器はバスケットに入れて、水切りも可能
●18-8ステンレス製のシンクは電解研磨仕上げで、さらにサビにくく、いつまでもキレイ
●直火にかけられ、温かいお湯での洗物も簡単

このフィールドシンクの最大の特徴である、「直火に掛けられてお湯が沸かせる!」という点について、前から興味があったのですが、まったくチャンスがありませんでした。容量から考えるとちょっと多すぎますが、あえてこれでやってみたいなぁと思います。

ちょっと脱線しますが、お湯の量についてですが、なにも沸騰したお湯を用意する必要はありませんから、例えば我が家のような小さなヤカンで熱いお湯を沸かして、あとから水を混ぜる方法で対応すれば、大量のお湯を沸かす必要はありませんね。
でもあえて、湯たんぽにいれるお湯をいっぺんに沸かしたい理由があります。 それは、お湯の温度調整が非常に重要だとわかったからです。 後から水を足して温度調整をする方法だと、一度熱いお湯をいれた湯たんぽは、本体が熱くなってしまい、あとから水をいれても中のお湯の温度が外からわからないので良くないかなぁと考えているわけです。
その点フィールドシンクでお湯を沸かせば、まるでお風呂のお湯を沸かすように事が出来ますし、かき混ぜながら温度調整が可能です。
なぜ、温度調整にこだわるか?それは後半でお話します。

さてフィールドでの実践編です。といってもお湯を沸かして湯たんぽに入れるところまでですが。。。

キティちゃん湯たんぽとつぼ将軍の入場です。 お湯まみれになってしまう事が予想されるため、とりあえず新調した焚き火テーブルに載せました。











ツーバーナーにフィールドシンクを水をいれて乗せ、ダブルで火をつけました。









ちょっとここで問題が。。
フィールドシンクがちょっと小さすぎるので、バーナーの位置がうまく合いません。2箇所の熱源で一気にとおもいましたが、一箇所でやっつけたほうが良さそうです。今回は沸騰させる必要はありませんので。。




4~5分でシンクの底に泡が出始めました。水の量が多かったので、もっと時間がかかるかと思いましたが、想像以上に早いです。
お風呂の湯加減と同じ位を目標にしてましたので、最終的には7~8分位だったと思います。




さてお湯を湯たんぽに入れる方法ですが、私には秘密兵器があります。
つぼ将軍セットについていたジョーゴです。同じマルカ製なので、ぴったりですね。










ちなみにこのジョウゴは単品でも購入可能です。湯たんぽ専用にするにはもったいない!手付きですので、熱いお湯を入れるときにはジョウゴを安定させられるので安全ですね。

マルカ 手付きじょうご(ステンレス製)
ナチュラム価格680円(税込)
●材質:18-8ステンレス製。
●本体サイズ:外径約100mm。長さ約230mm。深さ約55mm
●手付きなのでお湯を湯たんぽに入れるのに、たいへん便利。
●18-8ステンレス製なので耐腐食性に優れています。


さて、このジョウゴにどうやってお湯を流し込むかですが。。まず何も考えずにフィールドシンクを掴んで斜めにしましたが、お湯がツーバーナーにドバっと落ちて大惨事寸前に。。
奥様のアイデアで目の前に引っかかっていたシェラカップで入れることになりました。これが一番安全確実です。

スノーピーク(snow peak) シェラカップ
ナチュラム価格945円(税込)
●サイズ:直径122x45mm
●容量:310ml
●材質:SUS304(ステンレス)
●ステンレス製のオーソドックスなシェラカップです。



2.5リットルですから、10回ぐらい繰り返せば一杯になりますね。













蓋をしっかり閉めて、カバーをつければ出来上がりです。ぽかぽかした温かさです。
実はこの日はあまり寒くなかったので、次の朝に効用は?と聞いてみると、「暑かった」と言われてしまいました









さて、後半は大事なテーマである「湯たんぽと低温やけど」についてです。 エコ意識の高まりのおかげかは分かりませんが、最近は暖房器具としての湯たんぽが人気があるようです。 それに伴い湯たんぽの誤った使用方法に起因する低温やけどの報告が多くなっているそうです。低温やけどがどのような症状なのかについてはここでは触れませんが、長い治療を要するとても辛いやけどのようです。

今回テーマにしたいのは、その低温やけどを防ぐ方法です。 いろいろ情報を探しましたが、一番良くまとまっていたのは、兵庫県が2008年11月に行った記者発表の資料です。一応リンクフリーという事ですので、是非参照してみてください。

●兵庫県HP 湯たんぽによる低温やけどへの注意喚起について

低温やけどの正しい知識として一番重要なことは、「温かいなぁと感じる程度の心地よい温度だとしても、長い間、接していればやけどを引き起こす」という点です。ですので、重要になるのは温度の管理です。 
 丁度良い温度=安全ではない
ということです。

財団法人製品安全協会(SGマークで知られてますね)の情報が一番役に立つ情報ですので、参照したいと思います。

低温やけどにご注意下さい!-ゆたんぽを正しく使って、暖かく-

低温やけどをテーマにしているサイトをみると必ず紹介されているある目安がありますが、これは製品安全協会が出典です。

 










湯たんぽは当然ながらどんどん温度は下がりますが、お風呂なんかでは良い湯加減といわれている41~42℃程度の温度でも一晩抱いて寝たら危険である可能性があるという事ですね。 シュラフの中に入れてしまうと、どうしても体のどこかに接触するのは確実ですし、寝相がある程度落ち着けば、長時間同じ場所に接触し続ける危険が増します。 

これを対策する方法は、そんなにありません。このHPでも紹介されているのは、以下のものです。この文言は、湯たんぽの商品ページには決まり文句として常にかかれてますね。

1.布団(シュラフ)から出して使う
  ある程度あたたまったら布団(シュラフ)から出す。
  布団を最初だけ暖めるのにだけ使うということですね。
2.低温やけど対策用品をつかう
  これは具体的なことがかかれてませんが、たとえばこんなアイテムだと思います。
3.一定時間ごとに位置を変える
  これは長時間同じ場所に接触し続ける事を防ぐためですが、シュラフの中に入れてしまうとこの危険性は増します。
4.厚手のタオルや布で包む
  これは、湯たんぽ袋の事だと思います。キティの湯たんぽ袋がそれに当たりますね。つぼ将軍にもついてます

製品安全協会の情報には湯たんぽに関して別の注意事項が紹介されています。

ゆたんぽには湯を満杯に入れてください!-正しく使って安全に暖かく-

お湯を湯たんぽに入れた後は、当然ながら蓋をして密閉するわけですが、時間がたてばどんどん冷めていきます。 もし湯たんぽの中に空気が残っていてその空気の逃げ場が無い場合は、温く膨張していた空気が冷却されていくについれて空気の容積はどんどん減っていきます。すると、どうなるでしょう。。。湯たんぽは内圧で内側に陥没してしまう可能性があるわけですね。これはペットボトルの中の空気を口で吸い出すと、ベコっと内側に凹む現象と同じです。湯たんぽが凹んだ結果破損して、最悪の場合暑いお湯が流れ出るという事になってしまうわけです。 これを防ぐための方法はただ一つ! 湯たんぽにはお湯を満杯に入れる という事です。 完全に空気を抜くことなんて無理ですが、お湯を注ぎ口までナミナミに注ぐことが重要な様です。

私の出した結論は、
湯たんぽを抱いて寝るなら、体温よりもちょっと温かい程度のお湯にする。
お風呂のお湯程度の温かいお湯を使うなら、シュラフが暖まったら湯たんぽは外に出す。
のどちらかです。

湯たんぽは安全につかえば、冬キャンにはとても有効なアイテムです。キチンと基本知識を得て楽しいキャンプにしましょう。

※注意:当ブログに掲載されている価格は、ブログ投稿時の価格です。実際の価格は製品ページにてご確認ください。


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