実は
キヤノンのゴールドラッシュキャンペーンの誘惑に負けて、EOS 70D ダブルズームレンズキットを買ってしまいました。
私のブログの写真はずっとLumix GF2で撮ってましたが、WEB向けの写真を撮る程度ですので私には十分なカメラなのですが、天体撮影を始めたとたんに「長時間露光出来ない」「バルブ撮影出来ない」「レリーズが使えない」「高ISOでノイズが多い」という普段撮りには全く気にしてなかった新しい要件が出てきてしまい、色々調べた挙句にEOSにたどり着いた訳です。
天体撮影でのデジイチデビューとなったわけですが、EOS 70Dの評価が出来る程勉強してませんので、カメラの紹介はずっと先になると思います。
今日ご紹介したいのは、天体撮影では必ず必要なインターバル撮影の話題です。
最近のカメラにはインターバル撮影機能を備えているものがたくさんありますが、天体撮影の場合には2分近い露光時間や、何十枚も撮影する事がありますので、カメラだけの機能でまかなえない場合もあります。
また撮影中にカメラを触ったり、不安定な地面の周りを歩く事による振動も避けなければなりませんので、レリーズを使った撮影は必須です。
EOS 70Dに接続可能なキヤノン純正のレリーズ
( RS-60E3 )はタイマー機能はありませんし、タイマー機能付きのレリーズ
( TC-80N3 )はEOS70Dには付きません。
ネットを色々調べると、RS-60E3 の端子と互換性があり、TC-80N3のようなタイマー機能を備えたタイマーリモートコントローラーが安価に購入可能であることが分かり、早速ゲットしてみました。
キヤノン/コンタックス/ペンタックス/サムスン等 RS-60E3 EOS 70D 互換 タイマーリモートコントローラー
Amazon価格1,850円(税込)
●重量:約105g (本体のみ)
●寸法:155x40x19mm
●長さ:約100cm
●使用電池:単4形x 2個(電池は付属しておりません)
●キヤノン/コンタックス/ペンタックス/サムスン等 RS-60E3 対応タイマーリモートコントローラー
実にほぼ同じ形のものが沢山あるのですが、同じ商品でもパッケージはバラバラな様で、我が家に届いたタイマーリモートコントローラーのパッケージはこんな箱でした。
メーカー名は「SHOOT]ですし、対応カメラのリストにEOS 70Dも書かれてません
多くは中国製の様ですが、多分本体のデバイスは同じなんだと思います。
気をつけなければならないのは
カメラの接続端子の形です。
EOS 70Dのレリーズ端子の形はEOS 5Dなどのハイエンド機とは全く違う形です。
逆にコンタックス/ペンタックス/サムスンなどでも使えるようです。
対応機種リストは販売元のHPを確認してください。
では早速細かいところを見ていきましょう!
まずシャッターボタンから。シャッターボタンは押せばカメラのシャッターが落ちます。カメラ側がバルブモードになっている場合は、押している限りはシャッターが開き続けます。
長時間露光の場合は押し続ければ言い訳ですが、もし数分以上押し続ける必要があるなら、押してそのまま上にスライドするとシャッターボタンが押しっぱなし(HOLD)で固定されます。 これは長時間露光が必要な天体撮影にはもってこいの機能です。
ちなみにこのシャッターボタンだけはは、本単電源が入っていなくても機能します。
操作ボタンはシンプルです。左のボタンが照明ボタン。押すと6秒間光り、操作中は光り続けます。私がこの機種を選んだ理由は一つはこれ。暗いところでの操作には必須です。
右のボタンはタイマーのスタート/ストップボタンです。
中央の十字矢印とセットボタンは、テレビリモコンの要領で操作します。
電源は単4電池2本です。
ここでこのリモコンの最大の弱点を発見。
このリモコンには何とPOWER ON/OFFボタンがありません
つまり未使用時は電池を外せって事です。何でこんな基本的なパーツを端折っちゃうのか理解出来ませんが、ネット上では電源スイッチを付ける改造されている方も結構いらっしゃるので、私もそのうちチャレンジ予定です。
インターバル撮影の設定はシャッターを空けている時間(露光時間)と次の撮影までの時間(インターバル時間)を連続何回繰り返すか?という設定をセットすればよいわけですが、実はこの設定方法が説明書と実際の動きが違うケースがあるようで、
Amazonの口コミでもご意見がバラバラ
私のところに届いたタイマーリモコンの説明書では以下の様になってます。
分かりづらいのがインターバル時間の設定です。素直に露光時間の間の時間にすればいいのに、なぜかインターバル時間に露光時間が含まれています。
発売ものの説明書を見るとこれまた別の体裁の説明書なんですが、我が家の説明書と言っていることは大体一緒。これは自分で調べるしかないですかね。。
設定は極めて簡単。DELAYは最初の露光開始までの時間。スタートしてカメラから逃げる時間です
LONGは露光時間で、カメラ側がB(バルブモード)の場合は、この時間の間だけシャッターが空いてます。この2つは1秒単位で最大99時間59分59秒まで設定可能です。
左の照明/ロックボタンを6秒長押しすると"L"と表示されてシャッターボタンと照明/ロックボタン以外は操作出来なくなります。
多分、誤操作防止の機構なんだと思います。
インターバル時間も最大99時間59分59秒まで設定可能です。方向ボタンを上下左右に押して時間を調整します。
割と感覚的に操作可能です。
最後は露光回数のセット。 最大399回繰り返し可能です。
長時間露光&連続撮影が中心の天体撮影では十分な回数ですが、街中の微動撮影を長時間掛けて撮影する場合は、以外に399回では足りないという方もいらっしゃいました。
それではインターバル撮影の練習の成果をいくつかご紹介します。
まずは昇る月のインターバル撮影にチャレンジしました。
使った機材は、カメラはキヤノンEOS 70Dとダブルレンズキットについていた望遠レンズです。
使用機材のスペックだけご紹介
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS70D ダブルズームキット
Amazon価格143,665円(税込)
●本体サイズ(H×W×D):約139.0(幅)×104.3(高さ)×78.5(奥行)mm
●有効画素数:2020万画素
●撮像素子:APS-C
●画面サイズ:3インチ
●バリアングル液晶
●連続撮影速度 (コマ秒) 7
●ズーム倍率 (光学):3 multiplier_x
●シャッタースピード:1/8000秒
●ファインダー付き
●WiFI:有り
●手ブレ補正:無し
●付属機能特徴:F測距19点、ライブビュー撮影、多重露出、最高感度ISO25600、連続撮影速度最高7コマ/秒
●記憶メディア SDメモリーカード、SDHCメモリーカード※、SDXC メモリーカード※ (※UHS-Iカード対応)
●映像圧縮方式【記録形式】MOV 映像:MPEG-4 AVC/H.264 可変(平均)ビットレート方式 音声:リニアPCM 【記録サイズとフレームレート】1920×1080(Full HD):30p/25p/24p1280×720(HD):60p/50p 640×480(SD):30p/25p
●付属レンズ:EF-S18-55 IS STM & EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
Canon 望遠ズームレンズ EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM APS-C対応
Amazon価格36,500円(税込)
●ズーム倍率 (光学):0.3 multiplier_x
●焦点距離 (広角側):55 mm
●焦点距離 (望遠側):250 mm
●F値 (広角側):4 f_stop
●F値 (望遠側):32 f_stop
●レンズタイプ:ズームレンズ
●種類:望遠レンズ
●レンズ構成:12群15枚(UD レンズ1 枚)
●重量:395 g
リモコンタイマーは、ブラブラすると振動になってしまうのでベルクロで三脚に固定しました。
今回はベランダ撮影でしたので、その場から離れるためにDELAYは10秒にセット。月の撮影は長時間露光ではないのでLONGは1秒に設定。月は約2分で月一個分移動しますので、インターバルを120秒にセット。望遠端の画角だと大体12~13個分ですのでNは15回にしました。
EOS 70D+EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM F10.0/ISO100/SS 1/250sec/焦点距離250mm(換算400mm)
先ずは月1個分のトリミング写真です。M(マニュアル)で望遠端で撮影しました。 もともとトリミングするつもりが無かったのでフォーカスは適当だったのですが、意外に綺麗に撮れました
撮影したJPEG10枚を
比較明合成フリーソフト SiriusComp で合成したのがこちらです。
2分で大体1個分なので、重ねると綺麗に並びました
つづいてベランダから昼間の空を流れる雲をインターバル撮影しました。
使った機材はEOS 70Dにキャンペーンに負けて買ってしまった単焦点レンズを着けたお散歩撮影仕様の組み合わせです。
重いといわれるデジイチですが、この軽量単焦点レンズだと街歩きにはピッタリのシンプルさです。
Canon 単焦点レンズ EF40mm F2.8 STM フルサイズ対応
Amazon価格18,329円(税込)
●焦点距離:40 mm
●焦点距離 (広角側):40 mm
●焦点距離 (望遠側):40 mm
●F値 (広角側):2.8
●F値 (望遠側):22
●レンズタイプ:単焦点レンズ
●レンズ構成:4群6枚
●レンズマウント:キヤノンEF
●重量:130 g
今回は空の撮影でしたがそんなに広い画角は不要でしたのでこのレンズを選択しました。
三脚に固定してリモコンタイマーをセット。 DELAYは10秒、LONGは1秒、INTは5秒で撮影しました。
ベランダから見える対岸の幕張方面の空を撮影しました。
フォーカスが変わってしまうと困るのでマニュアルフォーカスで撮影しました。
EOS 70D+EF40mm F2.8 STM
F11.0/ISO125/SS 1/250sec/焦点距離40mm(換算64mm)
今回は幕張方面を256枚、夕方の別方向を256枚撮影しました。
PicasaでJPEGをくっつけて動画にしたあと、Windows Movie Makerでフォードイン、アウト、スピード2倍にして音楽を合成してみました。
雲が流れる様子や、突然なにも無いところからモクモクと雲が現れる様子が見えて面白いですね。
日没とともに暗くなっていくと同時にマンションに落ちている影の確度が変わる様子も見えます。
最後は一番やってみたかった北極星を中心にした星の日周運動の撮影です。
やっぱりあのグルグル画像は憧れです
本来は空気が綺麗で光害の無いキャンプ場かどこかで撮りたいのですが、今回は時間が取れないので超光害地の新浦安の北天を狙います。
北極星の方向を探す必要がありますが、肝心の北極星は光害で探せず。。
そんな時には天体望遠鏡の設置で大活躍のポーラーメーターを使います。
これを使うと角度、方向、水平が一気に調整できます。
ビクセン(Vixen) ポーラメーター
ナチュラム価格3,805円(税込4,109円)
●サイズ:高さ7.7×幅8.5×厚さ6.4cm
●重さ:100g
●コンパス:オイル式コンパス、1度単位、100ミル単位、EWSN(東西南北)表示(夜光付)
●傾斜計:5度単位(±70度以内)
●水準器:気泡式
●取付サイズ:アクセサリーシューを装備した機器
●ポーラメーターは水準器、コンパス、傾斜計をまとめた「ありそうでなかった」設計。星空雲台ポラリエ(WT)を使って星景写真を撮影する際、北極星が見えない場合でも、ポーラメーターを使用して極軸合わせ(簡易設置)をすることができます。また、カメラなどのアクセサリーシューにも取付け可能です。
EOS 70Dを選んだ理由に一つが、このバリアングル液晶です。
天体撮影の時はいつも下から覗いてましたので、普通の姿勢で撮影出来るのが素晴らしい
これで腰を悪くする事も無いですね。
今回はDELAYは10秒。今回はカメラばB(バルブモード)で10秒露光しましたのでLONGは10秒。光跡が途切れるとこまるので、インターバルは最短の1秒にしました。撮影枚数は256枚にしましたので、約45分間の星の日周運動になります。。今回はLサイズのJPEGと一緒にRAWも保存しました。
EOS 70D+EF40mm F2.8 STM F8.0/ISO1250/焦点距離40mm(換算64mm)
月と同じようにSiriusCompで合成、RAW現像しながら合成しました。
よく見ると日周運動している星の中心(北極星)が真中よりちょっと東にずれてますよね。実はコンパスが指す北(磁北)は北極星の方向(極北)より西側にずれています。私が住んでいる浦安だと約7度西です。今回はわざとちょっとずらしてダイナミック感を出してみました。
横切る光跡が何本も写ってますが、これは羽田を飛び立った飛行機の光跡です。これも浦安ならではの空です。
光害のおかげで全体的にオレンジ色になってますが、これだけ星が写っているのだから練習としては十分です。
今回はSiriusCompで合成する際に動画も作成しました。 あとからWindows Movie Makerでフォードイン、アウト、スピード2倍にして音楽を合成しました。
タイマー機能付きのリモコンを使ったインターバル撮影は、やってみると意外と簡単でした。 インターバル時間の設定ですが、説明書とは違って露光時間と次の露光時間の間の時間として設定したつもりですが、思ったとおりに動いたと思っています。
この問題は長時間露光を使う天体撮影をするときにもう一度検証してみたいと思います。
※注意:当ブログに掲載されている価格は、ブログ投稿時の価格です。実際の価格は製品ページにてご確認ください。